20040919

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はじめに

2004年9月15日(日)に図書館実習生を受け入れていただいている立川市立中央図書館に巡回指導に行ってきました。立川市立中央図書館は図書館の番組などでも取り上げられるほど、図書館活動を活発に行っている図書館でありまして、そこの司書で調査資料係長の斉藤さんに図書館内を案内していただきました。日曜日でお忙しいところ、ありがたいかぎりです。

立川駅は最近は、多摩地域で一日の乗降者数が吉祥寺を抜いてトップとなったそうです。また、新聞でも東京の多くの場所で地下が値下がりしているにも関わらず、立川駅周辺は地価があがっているという記事をみました。そのためか、立川駅周辺は、日曜日ということもあるかとは思いますが、とても多くの人でにぎわっていました。

立川市立中央図書館がある立川駅北口地域には、元々、基地があったそうで、基地がなくなったあとに、大規模な再開発地域となったそうです。デパートやホテルなどが造られるなか、その地域の公共施設の一つとして図書館ができたそうです。再開発で統一されたデザインのビルが建つ地域であるためか、景観制限のため、あまり大きく図書館であることを示す看板などをつけることができないそうです。たしかに、少し離れたところからみたときに、わかりやすいかと言われれば、判断が難しいところです。まあ、少なくとも私は案内に従って、駅から図書館までデッキと呼ばれる陸橋を歩いて迷うことなくたどり着きました。

ちなみに、立川市では分館が先に作られ、最後に中央図書館ができたそうですが、中央図書館の場所を探しているときに、駅前の再開発地域に運良く今の場所があったそうです。個人的には、図書館の人気の多くの部分が立地条件によって決まると思いますが、その意味でこの図書館は大きく栄えているターミナル駅から数分のの場所にありこれ以上にないところだと思います。

実習生のこと

他の大学の実習生も合わせて今年は三人を受け入れているそうです。毎年、9月の最初の月曜から二週間で受け入れを行っているそうです。忙しいなかで、実習生を受け入れることは追加的な業務を増やすことにもなるはずなのですが、実習生たちに教えることで自分がやっている業務をよく理解することにもつながるということで、快く受け入れを行ってくださっているという話がありました。ありがたいかぎりです。

職員について

業務委託は装備以外にはやっておらず、専任職員31人、嘱託8人の体制だそうです。ただ、専任職員の約3割しか司書資格を持っていないのだそうです。一般事務職としての採用で、図書館に配置されるからだそうなのです。最近は職員の研修制度が整備されてきており、今年もうちの大学の夏期講習に一人立川市立図書館の職員の方が司書資格取得のためにいらっしゃっているそうです。

スタッフルーム

スタッフの休憩所として、ちょっとした食堂のようなスペースが事務室の奥にあり、また、そこに併設して畳の部屋がありました。図書館の仕事にはきつい仕事もありますが、足を延ばして休憩できるような配慮だそうです。「このような立派な休憩室とはすごいですね」とちょっと驚いていたら、「最近の図書館ではこのような(充実した)休憩室も多いのですよ」とあっさりと返されました。職務環境の整備は、最近の風潮なのでしょうか?


地方行政資料

郷土資料とか地方行政資料と呼ばれる類の資料は、一般的な図書館では奥の方にありますが、こちらの図書館では、開館当初から入り口近くの一等地に書架があるそうです。それらのコーナーのさらに入り口に一番近い場所が現在は「ビジネス支援」のための資料コーナーになっています。そのコーナーの横には、普段なら商工会議所やお役所に行かないと入手できないパンフレット類があり、ビジネス支援の資料を使う利用者の方がけっこうな数、持って行くそうですので、情報を連携させることに成功しているようという印象を持ちました。


ヤングアダルトコーナー

図書館学の教科書ではいつも将来利用者になるはずの十代の青少年をいかに図書館にひきつけるかが課題だみたいなことがさらっと書いてあり、ヤングアダルトサービス自体はなかなかうまくいっていない、となっています。いままで図書館にいったときに感じた印象もそれをだいたい裏付けるような感じではあったのですが(うまくいっている学校図書館は除く)、この図書館のヤングアダルトコーナーは人気が高く、認識を改めなくてはと感じました。まあ、他のコーナーで閲覧席が見つけられない若者たちがたまたまこのコーナーにながれているといううがった解釈もできるのかもしれませんが、書架の間にもそれなりの数の若者の利用者がおり、たしかに使っているという印象を受けました。漫画コーナーが奥にあるのですが、特にそこが人気というわけでもなく、若者たちはそこに用意されている他の資料を利用しているようでした。


閉架書庫

閉架書庫はそれなりの数あったのですが、開館して十年間でほぼ収容能力満杯になってしまっているそうです。あまりきちんと覚えていないのですが、この閉架書庫似関する斉藤さんの言葉は、地価が高い駅前地域でもあるので、図書館を倉庫的な使い方をするのは少々もったいない気がしますので、開架書庫の部分の入れ替えをきちんとして対応していく方がよい、といったことだったように思います。閉架書庫には古い女性向け雑誌のコレクションがありまして、貴重そうなものでしたが、残念なことに私にはどの程度すばらしいものなのか判断がつきませんでした。このコレクションはもともと図書館が購入したものではなく、どなたかの寄贈されたものだそうで、状態もよく、研究者にも使っていただけるよう、OPACからアクセスできるようにしてあるそうです。


盗難防止装置

盗難防止装置が図書館の入り口にあったにもかかわらず、レファレンスルームの入り口にもありました。お話を伺ったところ、もともとこの装置はレファレンスルームの入り口にしかなかったそうですが、やはり盗難が多いため全体の入り口にも設置されたとのことでした。結果として、レファレンスルームの入り口の装置は必要なくなったそうですが、いまだにあるようです。勝手に推測するに、撤去のためにもそれなりにお金が必要そうですから撤去しないのではと思います。そして、全体の入り口に盗難防止装置を設置する前には、盗難は6500冊程度あったのですが、設置後は500冊程度まで減少したそうです。やはり効果はかなり高いようです。ただ、後付のため、職員の常駐するカウンターから、この装置までかなり距離があるそうで(ぱっと見にはそんなに距離があるようにも思えませんでしたが)、装置に反応したときにすぐに駆けつけるのは大変だそうです。


録音室、対面朗読室、点字資料室

中央図書館であるためか、障害者の方のための立派な施設・設備がありました。実際に録音資料をたくさん作成されているようで、書架にはぎっしりとありました。こちらの資料を作るための朗読者を養成する講習会を図書館の予算で実施しているようで、質を確保するためにかなり厳しい講習会となっているそうです。


あとから

これだけ人気のある図書館であるがゆえの悩みみたいなことについて伺うのを忘れてしまいました。先日、行きました八王子市生涯学習センター図書館では、静粛性がなかなか維持できないといったお話がありましたが、似たような悩みもあるのでは、と思います。たとえば、案内していただく中で、午前中の開館後1時間ほどしか経っていないにもかかわらず、利用者の方が閲覧席で突っ伏して寝ているような場面に二三度出くわしました。立地条件がよく、快適な環境であるために休憩所代わり使われているのかもしれませんが、どう対処するかは、なかなか難しいところです。