20040701

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 この図書館を紹介する理由

どうしても図書館訪問記を書きたくなるのは積極的なサービスが行われている図書館に集中してしまいます。しかしながら、悪い例も反面教師として挙げておくのはいいことかもしれません。

私が個人的なバックグラウンドととても関係が深い、ある学校図書館を見学したさいに、ここまで悪い図書館が世の中に存在するのか、と衝撃を受けましたので、その一部をご紹介したいと思います。

 はじめに

この学校図書館の場所は4階建て校舎の4階です。たぶん、こうなってしまった原因のひとつではないかと思いますが、当然、それだけではないはずです。実は、あとに書くような開館時間の事情から私が見学したときには、この図書館は閉まっておりました。見学のために頼んで開けてもらって、中を見ているときに、司書教諭の先生が挨拶に来てくれました。挨拶に来たといっても、少し話を伺おうととしたら、会議があるからと数分ほど(いま思い出せば1分いたかいないかぐらいだったような気がします・・・これはたぶんに後付けの印象の気もしますが)で、立ち去られてしまいました。

カウンター周りを見ると、はっきりと、この図書館に職員は常駐していないことがわかりました。たぶん司書教諭は普通の教員としての業務と兼務して、それも書類上の司書教諭としての役割しか果たしていないのでしょう。また、学校司書もいないようです。閉まっているので、当然、利用者もいません。そして、誰もいない、誰も来ない、学校内の誰もが存在を忘れてしまっている図書館のようです。

したがいまして、以下の記述はどなたかに話を伺ったものではなく、たんに、私が小さな図書室を歩きまわり、観察をし、写真を撮ってきたもの、ということになります。

 20分で本を見つけて貸し出しましょう

驚くことに(誰もいない閉ざされた図書館の時点で驚くべきことではないのかもしれませんが・・・)、この図書館の開館時間は午後01時05分から午後01時25分までです。この学校の生徒はよく利用指導が行き届いているため、開館と同時に自分の目指す書架に直行し資料を選びすぐにカウンターに向かい、借り出すのでしょうか?

ファイルが存在しません。

・・・もちろんありえないことでしょう。というのも、書架の状態を見てもらうとわかると思います。

 乱れ乱れて壊れ壊れて

この図書館の書架の状態です。

小さな画像だとよくわからないかもしれませんが、分類記号順ではないよくわからないならびになっています。一部の資料はさかさまに書架に置かれています・・・やはり、きちんと写真について説明をしましょう。最も左からの一群が「斉藤隆介全集」なのですが、このラベルは色あせてしまったのか、もともと番号がなかったのか白いラベルとなっています。次の「ようこそナルニア国へ」は(93/る)というラベルがついていまして、次の「ブライド・・・」は(15/か)で、ムーミン二冊は(940/や)、「永久追放」は(760/さ)、「ロストワールド,ジュラシックパーク2上」は(93/く/1)、「短編劇作品集5」はラベルなし、さかさまになっている「ターニャの日記」は(113/さ)までは判読できますが、それ以降は判読する気になりませんでした。

自分としては、逆さまになっている本があるので、少し乱れた書架の意味でシャッターを切ったのですが、よく写真を見てみたら、あまりにも配架されていないことに気づき、愕然としました。

破損資料はそのままおかれています。見た目が新しそうな資料は本当に少なかったです。

 ミッションインポシブル:カードの透視

目録カードボックスの写真をあえて撮ったのにはわけがあります。目録は、カード目録であれ、コンピュータ目録であれ、資料の書誌情報、所在情報を調べ、現物にアクセスするための図書館には欠かすことのできない重要なツールです。カード目録が乱れていれば、書誌事項を探すことができず、書架が乱れていれば、資料にアクセスができない・・・というレベルならまだよいのです。目録カードは、表面に書かれた情報を見ることができなければ使うことができず、意味がありません。指すら入らないほど、きちきちに詰め込まれたカードボックスは誰のためのものでしょう?


 雑誌は一誌

ぱっと見た範囲での話ですので、雑誌が本当に一誌かどうかはいまとなってはわからない点ではあります。しかしながら、入り口を入ってすぐの雑誌棚は以下のようになっており、これ以外の雑誌棚は見当たりませんでした。


 おわりに

この図書館について書くかどうかは本当に悩みました。誰にも話を聞くことができず、利用者も見かけず、短縮授業のため見学の途中で追われるように退出することとなりましたので、あれがあの図書館の本当の姿かどうか自信が持てないからです。もしかしたら、時間が経つにつれ、私の妄想が拍車をかけて、あの図書館の姿をゆがませているのかもしれません。しかしながら、デジカメで撮った写真データは、私の印象と同じく悲しげな図書館の姿を写し出していましたので、少なくとも写真にある部分については本当です。

学校図書館は、ほとんどの場合1人の専任職員が管理運営を行っているため、その人の熱意や能力によって、その図書館の雰囲気が大きく異なることは、いろいろな図書館を見てきた結果、わかっていました。しかしながら、職員不在の図書館が悲惨なものであることについては、話には聞いていましたが、ここまでとは思ってもみませんでした。さらに、自分が過去に関係していた図書館で起こっていることについて、非常にショックを受けました。

学校図書館は、影響を受けやすい思春期の若者たちが使う図書館として、彼らの図書館観を決定するであろう重要な存在です。私のように職業上、いろいろな図書館に行く機会がある人とは違い、普通の人は、自分の卒業した学校の図書館しか知る機会はありません。このような学校図書館しか知らない、この中学校の学生は、偶然この学区に住んだがゆえに、知らずのうちに本当に不幸な境遇になっており、さらに、今後もずっと、自分たちが不幸であることすらわからないままであることについて、とても悲しく思います。

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最終更新時間:2004年12月03日 23時55分56秒